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2016年07月02日

柳美里『ねこのおうち』@王様のブランチ

今日放送の「王様のブランチ」で、柳美里の新刊 『ねこのおうち』 が大きく取り上げられていました。




今、空前の猫ブームと言われています。

『ねこのおうち』は、そのような猫ブームにのっとった《かわいい猫小説》なのかというと、そういうわけではありません。

描かれているのは《猫》そのものではなく、猫の飼い主たちそれぞれの《人生の痛み》です。


物語は、仔猫のときにおばあさんに引き取られた「猫のニーコ」の話から始まります。

幸せに暮らしていたニーコは、ある事により、再び野良猫となります。

そして、公園で6匹の猫を産むのです。

この6匹の猫が引き取られていく、それぞれの《おうち》 がこの小説の舞台です。


この小説は、2008年に「ニーコのおうち」「スワンのおうち」の2編が執筆されました。

そして、2編の執筆のあとに東日本大震災が起きます。

そこで、柳美里さんは「つらい現実に立ち向かう人たちに救いのある物語」にしようと、小説の構想を当初のものとは違うものへと変えたとのことです。


6匹の猫たちは、それぞれの《おうち》で、孤独をかかえた人たちに出会います。

  ・両親の離婚をひきずるフリーライター
  ・余命わずかな妻 
  ・母子家庭の少年
  ・不登校の姉がいる女の子

6匹の猫は、これらの人たちの《人生の痛み》に寄り添い、前に進む力を与えます。


「王様のブランチ」で、柳美里さんは言っていました。

 猫は悲しみや苦しみや絶望を抜ける
 小道を見つけてくれる存在


さらに柳美里さんは言います。

 実は、絶望をすりぬける道と
 いうのは暮らしの中にある



王様のブランチキャストの鈴木あきえさんの言葉を借りると、この小説は「切なさと温かい気持ちがいっぱいつまった涙が流れる」作品ということです。



私は学生の頃、先輩から産まれたての仔猫3匹を押し付けられ(?)飼っていたという経歴があります。

仔猫は大きくなって、それぞれしっかりとした《家庭》に引き取られていきました。

ですので、実際に飼っていたのは1年ほどのことなのですが、別に何をしてくれるわけでもない猫たちに、ときに心が癒されることもありました。

当時は学生でしたので、悩みもたしかにありましたが、「癒し」はそれほど必要としていなかったかもしれません。

それが、高齢者の入り口が遠くにではありますが見え始め、今では、さまざまな「癒し」を求めるようになりました。

猫や犬などを飼ってみたくなるときもあります。

そのようなときに、まずはこの小説を読んでみるのもよいのかもしれません。





posted by Descartes at 11:12 | Comment(0) | テレビ番組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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