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2016年07月05日

「威力業務妨害罪」と「器物損壊罪」

今日のニュースで、「スーパーマーケットの店内にゴキブリ10数匹をまき散らしたとして、女が 威力業務妨害 の容疑で逮捕される」という事件がありました。

そして、同じく夕方のニュースでは、「地下鉄の車内で、女子高生のカバンに自分の体液の入った避妊具を入れたとして、男が 器物損壊 の容疑で逮捕」されています。

この2つのニュースに共通して言えること、

 あっと驚く行動です。
 普通ではあり得ません。


そして、この2つのニュースの違い は、「威力業務妨害」と「器物損壊」です。


威力業務妨害罪の刑法上の規定は次のようになります。
第二百三十三条(信用毀損及び業務妨害)
 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二百三十四条(威力業務妨害)
 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。


一方の器物損壊罪は次の通りです。
第二百六十一条(器物損壊等)
 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。


この2つのニュース(事件)は、他人物(スーパーマーケット or 女子高生のカバン)に嫌がらせの目的で物(ゴキブリ10数匹 or 体液の入った避妊具)を放置したという部分で似ています。

その一方で、容疑は「威力業務妨害罪」と「器物損壊罪」と違うものになっています。

妨害もしくは損壊した対象が、他人の「行為」なのか「物」なのかということです。

女子高生の事件は、言ってみれば、カバンを汚したことに対する罪として捉えられています。

一方のスーパーマーケットの事件は、店内は一時的に汚れはしたものの、それ以上に、ゴキブリがまかれたことによる「信用の毀損」の部分が注目されています。

ちなみに、威力業務妨害の「業務」と言うのは、「社会生活上の地位に基づいて 反復継続する 事務」とされています。


「なるほど」と納得してよいものでしょうか。

実は、罪の重さで言えば「器物損壊罪」よりも「威力業務妨害罪」のほうが重いのです。

女子高生が甘く見られているような気がします。


事件で注目されたのは、女子高生のカバンですが、カバンを持って毎日通学する女子高生の今後はどうなるのでしょう。

カバンはもちろん新しいものに買い替えます。

しかし、通学に使用する電車(今回の場合は千代田線)は変えられません。

通学も毎日反復継続する「業務」です。


個人的には、一個人を狙ったような卑劣な犯行こそ罪を重くしてよいのではと考えます。

この点については、刑法ではなく、民法で争えということでしょうか。


(ちなみに、弁護士のカバンを力づくで奪った場合は、「威力業務妨害罪」となるようです。)





posted by Descartes at 20:41 | Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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