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2016年12月03日

西加奈子 i アイ

今日放送の『王様のブランチ』で、直木賞作家・西加奈子さんの最新作「 i (アイ)」が紹介されていました。


アイという名前の主人公が、「 i (私)」とは何か、「 i (愛する)」とは何かを模索しながら歩んで行く物語だそうです。


主人公アイは高校の数学の授業で「この世の中に i は存在しない」という話を聞きます。

〔 i × i =−1〕という、高校の数学ではじめて出てくる「実在しない数字」虚数 i の話です。


この話を聞いて、アイは自身の存在まで否定されたように感じます。


アイは、シリア生まれ。

アメリカ人の父と日本人の母に引き取られて、今は、安全で裕福な生活を送っています。

しかし、アイが生まれた国では、今でも多くの命が奪われています。


そして、アイはある事をし始めます。


世界中で起こるテロや天災で亡くなった人の数をただひたすらにノートに書き留め続けるのです。

 
  ・・・その数は日に日に増えていきます。


この主人公アイの行動は、西加奈子さんが「知らないことが罪悪なんじゃないか」と思った自身の経験を投影しているのだそうです。


西さんは「今の自分がどれだけの犠牲の上に成り立っているのか、そういうことに目をそらしてはいけない」と言います。


「知っている」ことで、そういった罪悪感から少しは逃れことができます。


そうして、主人公アイは「世界にアイはある」と叫び続けます。



個人的なことですが、虚数 i の話になると、思い出される話があります。

映画にもなりましたが、小川洋子さんの「博士の愛した数式」という小説です。


この「博士の愛した数式」にも、虚数 i が出てきます。


「 i (アイ)」は、決して正体を見せない数字として登場します。

その i が、世界の果てまでも無限に続く「π(パイ)」と「e(ネピア数)」に出会います。


この3つの数字は決して繋がることはありません。


しかし、ある人物(オイラー)が、ここにたった一つの足し算〔+1〕をするだけで、世界は変わります。
 

   eπi+1=0


矛盾していたものが統一されたのです。



この数式は「オイラーの公式」と呼ばれ、「世界で最も美しい定理」とも言われています。


さらにこの公式を展開すると以下のようになります。

    i × i =(eπ

さらに、図で表すと以下のようになります。

オイラーの公式.png

この図を見て、「 i (愛)に i (愛)を掛け合わせると、円(縁)になる」と言った人がいます。


「 i (アイ)」の主人公アイを救ったのも、二つの出会いであったようです。

親友ミナとの出会い、そして、カメラマンのユウとの出会いです。


「思うこと」と「思われること」が「アイ」を育み、ラストへと繋げます。


是非とも読んでみたい一冊です。


i(アイ)
ラベル:西加奈子 アイ
posted by Descartes at 16:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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